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湘南キャンパス Techno Cube(19号館) 建物レポート

2017
10.31
工学部 大山 龍一郎学部長 インタビュー

― 19号館の学習環境について教えてください

 19号館は東海大学建学75周年記念事業の一環として建設された、理工系の新たな教育・研究拠点「Techno Cube」です。本校舎には情報理工学部と工学部が集結し、教育や研究を学生が主体となって進めることができるような設備が整っています。
 例えば各教室や研究室の扉や仕切りはグラデーションを施したガラスにし、学生同士や教員の様子が見えるようオープンな空間にしました。なかでも旧校舎と大きく違う点は、学生たちが研究に取り組む学生室をフロアの中心に固めたことです。今まではゼミごとに部屋が分かれていたため、隣のゼミでどのような研究が進められているのかがわかりづらい環境でしたが、新校舎ではパーテーションの向こうに違うゼミの学生がいて、何を学んでいるのかがわかります。その様子を見て刺激を受けることも多く、ゼミでの会話にも広がりを感じるようになりました。また、旧校舎ではゼミ生と教員が同じ部屋にいたので、研究テーマなど教員が主体となって決めることが多かったのですが、部屋が分かれたので学生が自ら課題を見つけ、学習に取り組む姿も見られるようになり、東海大学の4つの力のひとつである“自ら考える力”も養われてきています。
 各フロアには誰でも自由に集えるフリースペースもあり、学生同士の会話も増えてきています。社会ではコミュニケーション力も重要です。集える場所が多数用意されたことで、学生同士で互いを刺激しあいながら、それぞれの個性や力を伸ばしていけるようになったと思います。
 校舎は学生が自分の将来の物語を決める駅のようなもの。仲間を見つけたり、研究に没頭したり、目標を見つけたり、すべてが学びへとつながります。19号館には学生がどこにいても学びのテーマを見つけ、進んで学べるような設備が整っています。 

 

― おすすめの場所と活用方法を教えてください

 1階の「カフェテリア」と2階の「ラーニングコモンズ」です。それぞれ学生が集う場所なのですが、目的が異なります。カフェテリアは3階まで吹き抜けとなっていて、外からは明るい光が入る解放感あふれる空間です。250インチの大型マルチモニターではCNNなど海外のニュースが放送され、学生が気の合う仲間と集まって食事をしたり、情報を交換したり、時にはグループディスカッションをしたりと、遊びと学びの両方の機能を兼ね備えています。ラーニングコモンズは学びの空間です。工学部は開設当時から学生参加型のアクティブ・ラーニングの手法を積極的に進めていて、それを実現できる環境になっています。机や椅子は可動式で人数や目的に応じてアレンジが可能。利用開始当初は個人で勉強する人が多かったのですが、最近では資料を持ち寄り、グループで勉強している姿も見られるようになり、学生同士で学びの空間を作り出しています。教員もよく通る場所なので、熱心に勉強に取り組む学生を見ると、指導への意欲もわき、お互いを高めあえるきっかけづくりにもなります。
 ほかにも公開実験などで利用する「理工系工房」、4階から10階までの各フロアに学科ごとの「研究室」や「実験室」があり、最先端の機器がそろっているので学生が作ってみたい、やってみたい企画に挑戦することもでき、技術者に必要な挑戦する力を伸ばすことができます。部屋はガラス張りなので、教員から気軽に声をかける機会も増え、教員と学生の距離が縮まったのもうれしい変化だと思います。

 

― 今後の目標をお聞かせください

 今までの日本は精度のよい製品を作っていればよかったのですが、社会のグローバル化が進み、製品への付加価値のつけ方が重要になってきました。工学部で学ぶものづくりは誰のために、どのような目的で使うのか、それが社会でどのように活用されるのか。技術的に優れたものを作るだけでなく、その先に目を向ける広い視野が必要です。そのためには我々教員も学生が多くの気づきを得られるような仕掛けを作る必要があります。19号館は共有スペースも多いので、企業の打ち合わせなどにも学生を同席させて、どのような製品が求められているのかを肌で感じる機会も積極的に設けるようにしています。
 大学は社会に出る前の準備期間です。貴重な時間を無駄にせず、多くのことを学び、チャレンジして、本当にやりたいことを見つけてほしいと思います。19号館には情報理工学部の学生も在籍しています。今後は学部を超えて交流できるようなイベントも実施し、工学部の教育目標でもある時代の変化に対応した教養と工学領域の知識を身に着けた人材の育成に力をいれていきたいと考えています。新しく生まれ変わった19号館の中身をどう活用するかは学生と教員のアイデア次第です。一人ひとりの気づきを大切にし、可能性を伸ばしていくことがこれからの課題であると考えています。

 

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